さまざまなメリットのある「医科歯科連携」を
認識・実施している医科医療機関はとても少ない

厚生労働省はがんをはじめとする病気の入院、手術、術後回復、退院・社会復帰まで、手術前後を含めた一連の期間の口腔機能管理にてより良い治療結果が得られることから、医科歯科連携を推進しています。
しかし、歯科の標榜がない医科医療機関において、3分の1以上の病院が口腔機能管理を認識していません。さらに、実施している病院はわずか6.7％ととても少ないです。
広島市安芸区瀬野の「みどり坂の歯医者さん こうもと歯科」では厚生労働省の考えに賛同し、地域医療への貢献のためにも医療連携による口腔機能管理を実行しています。さらに幅広い治療も行えるように、新たな連携先も求めています。
周術期の口腔ケアは治療実績を向上させ、在院日数も削減されます。歯科との連携をご検討中の医科医療機関の方はお気軽にお問い合わせ下さい。

医療機関の方へ

歯科医院で行える睡眠時無呼吸症候群へのアプローチ

歯科医院では睡眠時無呼吸症候群に対し、歯科用3D（立体）デジタルCTでの撮影を行い、下顎と上顎の位置関係、歯列弓の幅や大きさ、扁桃腺の大きさなどを確認し、睡眠時無呼吸症候群を引き起こしている要因を特定します。
治療としては、口腔内装置による治療を主に行います。上下顎の歯列にマウスピースを装着し、下顎を前方に誘導・固定したり、舌のみを前に出した状態で維持させることで、上気道を広げていきます。
そのような歯科でできるアプローチから歯科のみで症状が改善されることも多いですが、症例により外科的な処置が必要になる場合は、連携している耳鼻科・呼吸器内科への紹介を行っています。

歯科用3D（立体）デジタルCTについて

具体的な周術期における口腔ケアが必要な理由

• 創部感染の予防

  唾液とともに飲み込んでしまったなどの原因からお口の中の細菌が体内に入ることで、創部感染（手術に際し一次切開した部位の感染）が引き起こされる場合があります。
  手術の質を下げ、治癒を遅くしてしまう可能性もありますので、手術前後の口腔ケアで感染源となる口腔内の細菌を減少させ、創部感染のリスクを回避させましょう。

• 誤嚥性肺炎の予防

  誤嚥性肺炎は口腔内の細菌が肺に取り込まれることが原因で起こる、死亡につながる危険性もある肺炎です。手術後はベッドで寝ている時間が多く、体力が低下しやすいため、合併症として引き起こされる場合があります。
  誤嚥性肺炎を引き起こす原因をなくすためにも、口腔内の環境を手術前から整える必要があります。

• 移植・人工物留置後の感染予防

  移植や人工物留置の手術を行ったあとは拒絶反応を抑えるため、ほとんどの場合で免疫抑制薬を使用しています。免疫を抑制する＝さまざまな菌に感染しやすい状態になります。
  感染予防として、病室・手術室を清潔に保つ、空気中の菌をきれいにするなどの病院でできる対策の他に、歯科と連携してお口の中の細菌の活動を抑える必要があります。

• 口腔合併症の予防

  ほとんどの抗がん剤治療で口内炎が確認されているように口腔内合併症は起こりやすいです。さらに、場合によっては食事が十分に取れずに体力を低下させて治癒が遅れるなどのトラブルも引き起こされます。
  口腔粘膜炎の対策としてお口の中をきれいに保ち、乾燥させないように歯科医による口腔機能管理を受けましょう。

• 術後早期経口摂取の開始

  手術後の口腔機能管理により、口腔粘膜異常やぐらぐらする歯への対応などを行うことで、口からの栄養摂取を早めに再開する「早期経口摂取」が可能になります。
  食事の補助による看護師さんの仕事も軽減され、手術後の体力の早期回復にも貢献するため、早期退院・在院日数の削減にもつながります。

• 気管挿管時のトラブル回避

  気管挿管を使用する場合、歯の脱離やそれに伴う出血がトラブルとしてあげられます。
  医科・歯科で連携して行う術前の口腔機能管理は細菌をなくすためのお口のケアだけでなく、このようなトラブルを防ぐことが可能になるため、歯の脱離による誤飲の危険性や、出血やそこに混ざった細菌を吸引するという心配もありません。